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三河万歳全集(2)史跡

起源

安城に残っている由緒書によれば,江戸幕府を開いた徳川家康と深いかかわりが有るということです。今から,400年以上前に,始まったことになります。戦国の世,徳川家康の戦いに付いていき,戦勝の祈祷をしました。その功により,家康が江戸幕府を開いた後も,関東諸国で舞うことが認められました。そして,三河の芸能が江戸で,広く知られるようになりました。

大行日吉法印の墓地とお堂

大行日吉法印は,三河に於ける始祖として,後の時代の人達に慕われています。お墓の世話や,お堂へのお参りが続けられています。近年,没後400年法要も行われました。大行日吉法印は,熱田の方から来た玄海と言う僧から,指導を受け,この地に広めました。近くの人の中には,親しみを込め,大行さんと呼ぶ人もいるほどです。

由緒書

愛知県安城,愛知県西尾,愛知県小坂井,に由緒書が有ります。由緒書は,古い物で,17世紀に書かれています。由緒書は,業の許しを願い出るときに書かれました。武士の世の中で,身分制度が厳しい世の中でしたので,そのような書類が必要だったのでしょう。幕府からは,関東諸国を巡業する事を認められました。

浮世絵

浮世絵を見ると,江戸での巡業の様子が分かります。時期は正月です。毎年,正月になると,この様に,屋敷を訪れ,福を呼ぶ舞を演じました。迎える人も心待ちにしていました。

この他にも,多くの浮世絵で見ることができます。当時の様子を示す大切な記録です。

伝承

時代は流れ,江戸は,東京に変わりました。鉄道が発達し,交通の便が良くなりました。一挙に東京に出易くなりました。20世紀初頭,新たに芸を身につける人が増えるようになり,一層広く三河各地に,芸が伝わっていきました。しかし,20世紀中頃には,戦争のため,一時途絶えそうになりました。世の中が平和になると,伝承する人が再び増え始めました。今では,三河各地に保存会ができて,伝統芸能として,受け継がれています。